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オピニオン 2022.02.15
歴史と文化が創り上げた美しさ ~タイ女性の伝統衣装~
タイの民族衣装は、地域によってスタイルが異なり、また時代背景によっても変化してきました。
特に女性の衣装は地域ごとの特色が強く、その土地の伝統芸能や伝統工芸とともに極められた美しさの象徴とも言えます。
例えば、サイアム(タイ中部)の女性は、一年を通して気温が高いタイでも一枚の布をラップのように巻いて着ています。長袖の服を着ることは非常に稀なことで、新年やお寺へのお参りなど重要な儀式の時には長袖の服を着ますが、それ以外はほとんど着ることはありません。
現代では、チューブスカートが女性に最も人気のあるスタイルですが、古い時代の女性たちは伝統的な衣装であるジョングラベーンを着用していました。
ジョングラベーンは、一枚の長い手織り綿を腰に巻き、余った布を足の間に通して着用します。
一枚の布を美しく着こなすという点においては、日本の伝統衣装である着物と共通するところがあります。
一方、タイ北部の山岳に暮らす民族が着る衣装は、美しい刺繍で編まれたとてもカラフルなものです。
特に、日本でも「首長族」として有名なカヤン族の女性は、真鍮のリングを首に巻いて首を長く伸ばす慣習があり、首が長いほど美しいとされています。その他にもアクセサリー類を身にまとって、カラフルな衣装とともにその独特なファッションを際立たせています。
伝統衣装は、時代によっても変化してきました。
タイの統一王朝として最も長く続いたアユタヤ王朝は、14世紀~18世紀まで、約4世紀にわたって栄えました。
TVドラマの影響などもあって、一般的にイメージされるタイの伝統衣装はこの時代のものが多いのではないでしょうか。
肩にかける長い布「サバイ」と、巻きスカート「パーシン」のセットアップが特徴の衣装です。パーシンは、筒状のスカートを履いて余りの布を折り返し、ベルトで留めます。
(形はサロンと同様ですが、サロンは外出着ではなく部屋着として使われる衣服を指します。)
その後、時代はトンブリー王朝、現在のチャクリー王朝へと移り変わりますが、今も受け継がれるタイの伝統衣装の基礎は、アユタヤ王朝時代に作り上げられたと言えます。
現代では、タイの女性が伝統衣装を着ているのを日常的に目にする機会は少ないですが、日本の着物と同じように、特別な式典やウェディングなどでその美しい姿を見ることができます。
「姫と侍」では、タイ中部の伝統衣装を中心に、その歴史と品位を守りつつ、オリジナルのアレンジを加えてさらに美しく映える衣装をご提案しております。撮影ブースも、時代を感じさせる王朝の雰囲気を本格的に再現し、被写体を際立たせる一つのアートとしてこだわって創りました。
ぜひバンコクの「姫と侍」スタジオで、その時代にタイムスリップしたようなひとときを体験してはいかがでしょうか。